高速切除と放電加工の融合

高速切除と放電加工の融合

2021-11-17

アルミ鋳物金型 グラビティ鋳造・低圧鋳造 お客様の利益の最大化





 本日から3回のシリーズで、弊社の行っている
「高速切削加工と放電加工を用いたハイブリット加工」こちらのご紹介をしていきたいと思います。

弊社は、金型の設計製作を始めて半世紀近くがたちます。

当初まだ高速加工機がなく、放電加工機が全盛だったころ、
周りの会社様よりは早目に放電加工機を導入致しました。

今現在は、高速加工機も導入し、それと合わせて、マキノフライスの3台のNCフライスを用いて、
それらをメインに加工を行っております。

今回ご覧いただくのは、「砂型用シェル中子のハイブリット加工」になります。

このシェル中子は、「角部」が非常に多く、立壁と底面の交差する部分に多くの「角」が存在する(フィレットのない)シェル中子でした。

弊社の金型加工の基本的な考え方として、
「深い場所・急こう配の立壁の底・狭い所」こういった製品部を、“すべて高速切削で行う”のではなく、時間を短縮できるのであれば、電極を用いた、「その部分だけを加工する部分電極」を用いて放電加工を行う。
そのようなスタンスでおります。(これが昔から言われている“ハイブリット加工”になります)

まず、高速加工機で加工できるすべての部分を加工します。
最初に行うのは「肉盗み」の加工です。
金型の背面(裏面)を、製品形状なりに加工していきます。
これは、製品の成形の際に、金型の温度を下げないようにすることや、金型の温度を各箇所で、
できる限り一定に保つためのものです。

肉盗み加工が終了したら、今度は製品面の加工(PL面側)になります。

低コスト・短納期を実現する ハイブリッド加工 高速切削と放電加工

前回は、「ハイブリット加工」の第一段階である、
高速加工機による加工で「肉盗み加工」と「製品面の加工」をご覧いただきました。

今回は「ハイブリット加工」の次の段階である
「放電加工」これに用いる「カーボン電極の加工」をご覧いただきます。

加工しているカーボン電極は「製品部分が深く、
しかも底面との交差部分が角」、そう言った場所の加工を行うための電極になります。

高速切削で、仕上げられる場所はすべて仕上げ、
何本ものエンドミルを使わなければならない場所や、
時間のかかる部位については、中仕上げで済ませる。

そして、ワークを下ろし放電加工を行う。
これが「ハイブリット加工」になります。

つついてご覧いただいている電極加工は、前回の動画No1でご覧いただいた、
「肉盗み」を行った金型の製品部分用の電極になります。

こちらの電極は2つ同じものが並んでいるように見えますが
、“荒加工用電極”と“仕上げ加工用電極”の2つを加工している様子になります。

形状が複雑で「角部」がかなり深い場所に存在しますので、
仕上げ電極1本だけでは、電極が摩耗して所定の製品形状が得られない可能性がございます。
そこで、荒電極で放電加工後、仕上げ電極で最終仕上げを行います。

短納期・低コストでお客様の利益の最大化 誉のハイブリッド加工

今回は「ハイブリット加工」の三回目。
最後の「製品角部の放電加工」をご覧いただきます。
前回もお話しさせて頂きましたが、弊社は“高速切削で、
仕上げられる場所はすべて仕上げ、何本ものエンドミルを使わなければならない場所や、
時間のかかる部位については、中仕上げで済ませる。

そして、部分電極を用いてその部分を加工する”、
これを基本的な加工の考え方にしております。

このハイブリット加工は、特に「製品の深い場所や狭い場所の面粗度」に非常に有効であると同時に、
加工時間の短縮にも寄与します。

高速加工機で加工できるすべての場所を、仕上げられるだけ仕上げてしまい、
その間に部分電極を作成し、高速切削終了後すぐに放電加工を行う。

こうすることにより、時間短縮につなげています。
 お客様によっては「高速加工機ですべて加工しないと金型費用が高くなるのではないか?」
といったご質問を頂きますが、決してそんなことはございません!!!